わきがを根本的に治療したい場合は病院・クリニックでの治療が必要になりますが、わきがの臭いを軽減させる方法は、普段の生活の中でできることもあります。
わきがの原因となるアポクリン腺から出る汗は、汗そのものに臭いがあるわけではありません。汗に含まれる皮脂やたんぱく質に菌が集まり、菌が成分を分解し排泄した物質が強い臭いを発します。
わきがの臭いを軽減させるためには
- 汗を抑える
- 菌を減らす、無くす
の2つが重要です。この2つを実行するために、自分でできる対策があります。具体的にどんなことをしたらわきがの臭いを軽くすることができるのか、対策法を紹介しますね。
目次
ワキの下を清潔に保つ
汗、そして汗に含まれる臭いの成分を体から取り除いてしまうのが一番手っ取り早い解決策です。汗をかきっぱなしのまま放置せず、すぐに拭くようにしましょう。洗うときはシャワーで適当にささっと流すより、お風呂につかるようにすると良いですね。ワキの下の毛穴に詰まった皮脂やタンパク質まで綺麗に洗い落とすことができます。
汗をかいたらこまめに拭いて、入浴の時に丁寧に石鹸で洗いましょう。
1、汗をこまめに拭く
アポクリン腺から出た汗だけでなく、エクリン腺から出る普通の汗も、汗をかいたまま放置しておくと蒸れたり皮脂や汚れが混ざり菌が繁殖し、汗臭いにおいを発します。汗をこまめに拭くということは、わきがの人だけでなく汗のニオイ対策として行った方が良いですね。ワキ汗パッドなどを使い、汗が衣類につかないようにしておくことも衣類が臭わないようにする対策としておすすめです。
濡れたタオル・ハンカチやデオドラントシートで汗を拭くこと
汗拭き用に乾いたタオルやハンカチを持ち歩いているという人が多いと思いますが、実は乾いたもので汗を拭いても、臭いの原因となる成分は肌に残ってしまうのです。汗の水気は拭えても菌が繁殖する成分がワキの下に残ってしまうので、臭いの軽減にはなりません。
そこで、臭い対策のためには水で濡らしたタオルやハンカチでワキの下を拭くようにした方が良いのです。水で濡らし固く絞ったタオルを使ってください。
とは言っても、濡れたタオルを持ち歩くというのはあまり実用的ではありませんよね。お手拭き入れのような濡れたタオルを持ち歩けるケースを用意するか、タッパーやビニール袋に濡らしたタオルを入れて持ち運ぶか、方法はあることはありますが、一番便利なのはデオドラントシートです。
殺菌効果のあるデオドラントシートなら、肌に細菌を残すことなく綺麗に拭き取ってくれるので臭いの原因を抑えられます。持ち運びにも便利です。
2、洗いすぎ、力を入れてこすることは却ってニオイの原因に
お風呂に浸かり毛穴の中の皮脂や汚れを落とし、石鹸でしっかりと洗うことは大切ですが、臭いを落とそうとして、力を入れてゴシゴシ洗うのはおすすめできません。
体を洗いすぎて肌に必要な皮脂まで洗い落としてしまうと、足りなくなった皮脂を補おうと皮脂が過剰分泌されるようになります。力を入れて洗い皮膚を傷つけてしまっても、肌を守るために皮脂が多く分泌されます。皮脂は肌を乾燥やダメージから守るために必要なものなのですが、菌の格好の餌となり、汗のニオイやわきが臭の原因になるので、ニオイ対策としては皮脂の過剰分泌は抑えたいところです。
体を洗うときに注意したいこと
体を洗うときの大切なポイントは
- しっかり泡立てる
- 優しく洗う
- すすぎをしっかり
の3点です。表面の硬いタオル、アカスリ機能のあるザラザラしたボディタオルは避け、柔らかい素材のタオルを使うようにしましょう。ボディソープや石けんは丁寧にしっかりと泡立て、泡を肌に乗せ包み込むように優しく洗いましょう。肌をこすって刺激することのないように注意してください。特にニオイが気になる箇所には、泡立てた石鹸をのせ、しばらく置いてから洗い流すようにします。
石鹸の洗い残しは菌の餌になり、臭いの原因になることがあります。体を洗った後は十分な量のお湯でしっかりと石鹸やボディーソープをすすぎましょう。
3、制汗剤、デオドラントを上手に使う
制汗剤を使って汗そのものを抑えるという手段もあります。最近ではスプレー式のものより効果が持続するクリームタイプのものがありますし、汗を抑えるだけでなく殺菌効果がありニオイの原因となる菌を殺菌してくれるタイプのものもあります。
デオドラント剤にも殺菌作用や制汗作用のあるものが発売されているので、自分の肌に合うもので、自分の好みの香りのものを探して上手に活用しましょう。
4、食生活を見直す
脂っこく高タンパクな食べ物をたくさん食べていると、血中コレステロールや中性脂肪が増え、体の中で酸化して様々なニオイの原因となる「過酸化資質」に変化します。汗に混じる脂質やタンパク質が増えれば、臭いも強くなります。
ラーメン、揚げ物、肉料理などの脂っこい高タンパクな食事は控え、ビタミンを多く摂るよう心がけましょう。ビタミン類は、脂肪を分解し皮脂の分泌を抑えるので、体臭予防の強い味方になってくれます。
便秘気味で腸の中に老廃物を溜め込んでいる人も体臭が強くなります。ヨーグルトなど、お腹の調子を整える食品や、野菜をたくさん食べて食物繊維をたっぷり摂るようにすることも体臭を減らすためには効果があります。
5、アルコール、煙草を控える
お酒やタバコは唾液の分泌量を減らすので口臭の原因となります。また、ニオイの成分が血液中に入り全身を巡るので体臭も強くなります。わきがの人の場合はアポクリン腺をへの刺激になるので、わきがが悪化してしまいます。
どうしても飲酒や喫煙が止められないという人でも、量を減らすだけで臭いは軽減します。
6、ストレスの発散・解消
緊張や不安の状態にあると、人は汗をかきます。また、ストレスでホルモンバランスや自律神経が乱れると体臭の原因になります。わきがでない人も、ストレスを抱えているといつもより汗臭くなったり体臭が強くなったりするので、わきがの人は更に注意が必要です。
自分に合ったストレスの発散法や解消法を見つけ、リラックスタイムを作るようにすることが体臭の軽減だけでなく心と体の健康のためにも大切なことです。
ただし、あまり思い悩むよりも、病院で治療を受けることで簡単に解決する場合もありますので、ワキガで悩んでいる方は、病院での治療を検討していただければと思います。