わきがはアポクリン腺が発達する思春期以降に症状が現れるものだと考えられてきましたが、最近小学校低学年くらいの子供がわきがを発症するケースが増えているそうです。一体何が原因なのでしょうか?
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一般的に、アポクリン腺は思春期に発達し始める
アポクリン腺は、元々はセックスアピールをするために匂いを発する役割を担っていました。異性に自分の存在をアピールするためにフェロモンを出すわけですから、子供には必要の無い機能です。アポクリン腺は思春期に発達し始めることが多いようです。
わきがは高い確率で遺伝しますが、親からわきが体質を受け継いでいたとしても、わきがの症状が現れるのは思春期以降だと従来は考えられていました。また、思春期にはホルモンや皮脂の分泌量が増え、体臭が強くなることもありますし、アポクリン腺が一時的に活発に活動することもあるので、思春期を過ぎると体臭やわきがの問題が無くなることもあります。
なぜ子供のわきがが増えているのか?
親からわきが体質が遺伝していたとしても、ニオイの問題を発症するのは思春期以降と考えられていたわきがですが、最近小学生くらいの子供のわきがの相談が増えているそうです。小学校低学年でかなり重症のわきがを発症する子もいるようなのです。
どうして子供のわきがが増えているのでしょうか。考えられる原因はいくつかあります。
ニオイに敏感な現代
もしかしたら、昔からわきがの子供はいたのかもしれません。昔は衛生環境が今ほど良くなく、ニオイの問題もそれほど気にされていなかったので、わきがの子がいてもそれほど目立たなかったのかもしれません。極度に衛生的にり、みんながニオイに敏感になった現代だからこそ、わきがの子供が目立ってしまうのかもしれません。
食生活の変化
食事は体臭に強く影響します。肉中心、揚げ物や脂っこいものをたくさん食べる食生活を続けていると、体臭が強くなりますし、わきがの人は臭いが強くなります。子供の食生活が乱れたり、肉や揚げ物ばかり食べていると、体臭が強くなりわきがも発症しやすくなります。
お子さんがわきがかもしれない、お子さんの体臭が気になるなと思う親御さんは、ぜひお子さんの食生活にも気を配ってあげてください。お魚や脂身の少ないお肉を使った料理や、野菜、果物をたっぷり食べる食生活に切り替えてあげましょう。
ストレス
子供は遊ぶのが仕事で、伸び伸びと自由に毎日過ごす、という時代はもう終わってしまったのかもしれません。現代の子供は勉強、習い事、厳しいしつけ、人間関係、様々なストレスを抱え込んでいます。
ストレスによりホルモンバランスや自律神経が乱れると、皮脂が過剰分泌されたり、アポクリン腺が刺激され活発化したりすることがあるので、体臭やわきがの臭いを強めることになります。
悪化してしまうことも
大人の社会でも、体臭がきつい人・わきがの人は避けられたり影でヒソヒソ言われるようなことが残念ながらありますよね。子供の社会でも、体が臭うことで仲間はずれにされたり、いじめに発展してしまうこともあります。それが更にその子にとってストレスとなり、体臭やわきがが悪化してしまうことも考えられます。
自分が臭っていると気にし過ぎて、不登校や引きこもりになってしまうこともあるかもしれません。たかが体臭、ちょっと臭うだけ、と軽く考えず、子供のわきがは本人にとってとても辛いことで、深刻な事態になりかねないと重く受け止めた方が良いでしょう。
自宅でできる子供のわきが対策
まず一番に見直さなければならないのは上でも説明した通り、食生活です。高脂質高タンパクの食事に偏っているようだったら、野菜や果物もたくさん食べる食生活に変えましょう。子供にも使えるわきがクリームなども市販されているので探してみましょう。無添加、低刺激、持続力が長く続くものを選んであげるといいですね。
そしてお子さんの体を清潔に保ってあげてください。毎日お風呂に入れ、体の正しい洗い方を教えてあげましょう。汗拭きシートを持たせる、汗のついた服をそのまま放置しないなど、親御さんができるニオイ対策は色々とあります。
子供のわきが、病院での治療は?
子供のわきがを治療しようと病院を受診しても、年齢が若いうちに手術をしても再発してしまうかも、とかアポクリン腺が活発になる思春期を過ぎてからの方が良い、と言われて積極的に治療をしてくれない病院・クリニックも中にはあるようです。
でも、子供のわきがを深刻に受け止めてくれて相談に乗ってくれる病院やクリニックもありますから、諦めずに治療をしてくれるところを探しましょう。手術をする場合にはリラックス麻酔を使うなど、子供用の痛みケアを行ってくれるところもあります。
うちの子、わきが?
うちの子、なんだかニオうけれどわきがかしら・・・?と思ったら、以下の項目をチェックしてみてください。
- 耳垢が湿っている
- 汗がついた衣類が黄色くシミになる
- 両親のどちらか、または両方がわきが
耳垢が湿っている
耳垢チェックは、お風呂上がりを避け、普通のリラックスしている状態の時の耳垢をチェックしてみてください。耳垢が湿っているということは、耳にアポクリン腺があるということで、ワキの下にもアポクリン腺が多くある可能性が高いです。
汗がついた衣類が黄色くシミになる
アポクリン腺から出る汗には、ニオイの元となる成分が多く含まれていますが、この成分が服に付着して乾くと黄ばんだシミになります。
両親のどちらか、または両方がわきが
わきがは高い確率で遺伝しますが、100%必ず子に受け継がれるというわけではありません。親がわきがだからと言って症状が現れていないのであれば必要以上に心配することはないでしょう。ただし、わきがが早くから発症しないよう、お子さんの食生活やストレスの有無などに気をかけてあげられるといいですね。
正しいケアを
お子さんがわきがの症状を発症した場合、親が正しいケアをしてあげることが非常に大切です。デリケートな問題なので、お子さんを傷つけることのないよう優しく説明してあげてください。わきがでニオっているのは決して本人が不潔であるからというわけではなく、体質の問題であること、解決策はあるんだよということを教えてあげましょう。お子さんが必要としているようであれば専門のお医者さんに相談しましょう。
わきがは病気ではありません。深刻に悩むことは無いでしょう。ただし、「におう」ということで、お子さんが辛い経験をすることのないよう、最大限配慮してあげてください。